うつ病の相談・治療
日々の生活の中で、気分が落ち込んだり、何をしても楽しく感じられないといった状態が続いたりしていませんか。
「眠れない」「食欲がない」「疲れがとれない」「何もやる気が起きない」、それは、心と体が発しているSOSかもしれません。
うつ病は、誰にでも起こりうる心の病気です。決して「気の持ちよう」ではなく、治療が必要な状態です。早めに相談することで、心も体も少しずつ楽になっていく道が見えてきます。
当院では、うつ病の症状やお悩みを丁寧にうかがいながら、お一人おひとりに合った治療方法をご提案いたします。薬だけに頼らず、カウンセリングの案内や生活環境などへのアドバイスも含めた、総合的なサポートを心がけています。
初めて心療内科を受診される方も、どうぞご安心ください。「こんなことで受診していいのかな…」と思われるような些細なことでも構いません。今の気持ちを、そっとお話ししてみてください。あなたの「つらい」を「安心」に変えるお手伝いを、私たちがいたします。どうか、ひとりで抱え込まず、まずは一度ご相談ください。
精神症状、身体症状
うつ病は、こころの不調として知られていますが、精神的な症状だけでなく、さまざまな身体的な不調としてもあらわれます。
「なんとなく調子が悪い」「検査では異常がないのに体がつらい」そんなとき、心のサインが隠れていることがあります。
<精神的な症状(こころの症状)>
・気分が落ち込む、憂うつな気持ちが続く
・何をしても楽しいと感じられない
・意欲がわかない、やる気が出ない
・集中力や判断力が低下する
・自分を責めてしまう、価値がないと感じる
・人と会うのがおっくうになる
・死にたくなる、消えてしまいたいと感じる
<身体的な症状(からだの症状)>
・疲れやすい、だるさがとれない
・寝つけない、途中で目が覚める、早朝に目が覚める
・食欲がわかない、体重が減る
・胸の圧迫感、動悸、息苦しさ
・頭痛や肩こり、胃腸の不調
・性欲の低下
・原因のはっきりしない痛みや不快感
こうした症状は、心と体が一緒に悲鳴をあげている状態です。うつ病は「怠け」や「甘え」では決してありません。誰にでも起こりうる、脳や神経の働きの変化によって起こる病気です。
治療について
うつ病は、きちんと向き合えば回復が可能な病気です。
「いつもの自分に戻れない」「もう治らないかもしれない」――そんな不安を感じている方も、少しずつ心と体を整えていくことで、再び自分らしさを取り戻すことができます。
当院では、ひとりひとりの症状や背景に合わせた、丁寧な治療を行なっています。
<うつ病の治療の基本>
1. 休養
まずは心と体を休めることが大切です。無理をせず、安心して休める環境づくりを一緒に考えていきます。
2. 薬物療法(抗うつ薬など)
必要に応じて、症状をやわらげるためのお薬を使用します。「薬が怖い」「副作用が心配」という方も、わかりやすく丁寧にご説明しながら、できるだけ不安を感じないように治療を進めていきます。
3. 精神療法
考え方のクセやストレスへの対処法を見つめ直し、少しずつこころの整理をしていくためのサポートを行います。
安心して話せる環境の中で、気持ちに寄り添った対話を大切にしています。
4. 生活の見直しとサポート
睡眠・食事・仕事・人間関係など、日常生活に目を向けながら、再発を防ぐための生活習慣づくりを一緒に考えます。必要に応じて職場復帰や社会資源の利用についてもサポートします。
うつ病は、がんばってきた人が、がんばりすぎて傷ついてしまった状態とも言えます。「休むこと」「助けを求めること」は、決して弱さではありません。あなたがご自身を大切にするための一歩を、私たちがしっかり支えます。